男はつらいよ

「男はつらいよ」に登場するマドンナ・リリー(浅丘ルリ子)の人物紹介

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この記事では、映画「男はつらいよ」で最も多くマドンナ役で登場したリリーの人物像に迫っていきたいと思う。

「男はつらいよ」シリーズを語る上で、このリリーというマドンナの存在を無視することはできない。

なぜなら、女性に惚れてはフラれ、惚れられては逃げ腰になる寅が、唯一所帯を持ってもうまくやっていけそうな、そう思えるマドンナだったからだ。

そして、「男はつらいよ」シリーズの最後を締めくくったマドンナでもあった。

リリーは他のマドンナたちとは違い、寅と本音で語り合い、弱みを見せ合える仲であった。

もしかしたら、リリーは寅にとって一番結婚相手として近い存在のマドンナだったのかもしれない。

寅とリリーの物語は1つの作品では収まり切れず、4部作としてシリーズ49作の中に収められている。

映画「男はつらいよ」シリーズは、動画配信サービスを利用すれば、いつでも好きな時に好きな作品を見放題動画として視聴することができる。

もし、もう一度リリーの作品を観返したいという方は、下記の記事に視聴方法が書いてあるので読んで欲しい。

映画「男はつらいよ(寅さん)」シリーズ全49作のフル動画をいつでも好きな時に観る方法

今回は、寅とリリーの馴れ初めから、4部作という長い期間で紡いできた二人の物語を振り返りながら、マドンナ役・リリーというマドンナの人物像に迫っていきたいと思う。

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リリーの略歴

「男はつらいよ」に登場するマドンナ・リリー(浅丘ルリ子)

リリーの生い立ち

リリーは、東京生まれで小学生の頃から家出をし、すでにフーテン暮らしをしていた。

母親は幼いリリーをほったらかしにして、好きな男と遊び回っていたらしく、リリーは「中学生の時から母親に育てられたとは思っていない」と、母親に直接言っている。

リリーの仕事は、全国をドサ回りしながら歌う歌手であった。

しかし、決して華やかな歌手というわけではなく、どちらかと言うと売れない二流歌手といったほうが正しいのかもしれない。

リリーは、テイチクという芸能事務所らしきところに所属していたため、一応自分が歌う場所は事務所があらかじめ用意してくれていたようだ。

なので、事務所から歌う場所が提供されて、そこへ一人向かっていくという感じだったのではないだろうか。

そのことは、11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」で、リリーが網走駅を降りた時に、事務所から紹介されたマネージャーのような人物がリリーをタクシーで迎えに来るシーンからも判断できる。

リリーの年齢は作中で出てくることは1度もなかった。

なので、おおよその年齢で捉えることしかできない。

だから、当時リリーを演じた浅丘ルリ子の実年齢を推定年齢として捉えてみることにした。

きっと、リリーの年齢は浅丘ルリ子の実年齢とたいして変わりはないと思うのだ。

「男はつらいよ」の作中で登場した時のリリーの略歴を簡単にまとめると、以下のようになる。

■1973年(推定33歳)
・北海道の網走で寅と出会う。
・寅とケンカ別れした後、清寿司の店主・石田良吉(毒蝮三太夫)と結婚し、千葉県の新松戸に定住するが、離婚。

■1975年(推定35歳)
・北海道の函館で寅と再会。
・寅との結婚話を1度は了承するも、寅に直接会うと結婚の話にならず、そのまま寅の元を去る。

■1980年(推定40歳)
・沖縄でライブ中に吐血し、たがみ病院に入院。
・たがみ病院に見舞いに来た寅と再会。
・寅に「俺と所帯を持つか?」と言われるが、冗談話にしかできなくて、そのまま寅と別れる。
・その後、群馬県のバス停で寅と再会。(その後の詳細は不明)

■1995年(推定55歳)
・死に別れた夫(結婚生活3年)の遺産で鹿児島県奄美大島の加計呂麻島に小さな家を購入。
・空腹で腹を空かした寅が転がり込み、1カ月近くこの家で同棲生活をする。
・久しぶりにとらやを訪問。
・柴又から鹿児島にある家まで寅に送ってもらい、そのまま同棲生活を始めるが、その後しばらくして寅とケンカをして離れ離れになる。

リリーの本名

リリーの本名は、松岡清子である。

ちなみに、唄を歌っている時の芸名は、リリー松岡という名で舞台に立っていた。

清子という名は、11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」で、金の工面を頼んできた母親がこの名前でリリーのことを呼んでいる。

男はつらいよシリーズでリリーが登場する作品

<寅とリリーの4部作>

  • 第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」
  • 第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」
  • 第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」
  • 第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」
  • 寅とリリーの馴れ初め

    寅とリリーの馴れ初め

    寅がリリーを初めて見たのは、北海道の網走駅へ向かう夜行列車の中だった。

    寅は一人で泣いて座っているリリーが目に留まり、気になってしまう。

    しかし、この時点でリリーのほうではまだ寅の存在に気付いていない。

    寅とリリーが初めて接触したのは、網走橋である。

    ここでレコードの売をしていた寅に、リリーのほうから声をかけてくるのだ。

    寅が自分と同じような根無し草の生活をしていることを知ったリリーは、この時寅に対して何かしらの興味を抱いたに違いない。

    それは、寅の方も同じであったろう。

    しかし、この後二人はまた元の他人のように別れていくだけだった。

    これが、寅とリリーの馴れ初めである。

    これをきっかけにして、寅とリリーは風に吹かれ全国を旅しながら何度か再会し、そしてまた別れるを繰り返していくようになる。

    各作品においての寅さんとリリーの関わり

    リリーは、寅の境遇(旅暮らし)に最も近いマドンナ

    映画「男はつらいよ」には、41人のマドンナが登場している。

    「男はつらいよ」の寅さんが恋した41人の歴代マドンナたちの紹介

    リリーは、その中でも最も寅の境遇に近いマドンナだったのではないだろうか?

    リリーの父親の話が作中に出てこないので何とも言えないが、リリーの母親も寅と同様に子供をほったらかしにするような酷い親であった。

    なので、寅と同様に血の繋がった母親からの愛情を受けずに育ったのは一緒であると言えるだろう。

    そして、中学生の頃にはすでに家を飛び出し、親に頼らずフーテン暮らしをしていたというのも寅と全く同じ人生を歩んできている。

    映画の中でこの二人は、自分たちと世間一般の人たちとの違いを風刺して笑い合うシーンがある。

    それは、15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」で、兵藤謙次郎(船越英二)と汽車に乗っている時だ。

    兵藤を一般人と見立てて、こんな会話をするのだ。

    寅:「(兵藤は)だいぶ変わり者だよ、俺たち常識人から比べると。」

    リリー:「寅さん常識あるの?」

    寅:「あるよお前、大常識だよ。」

    リリー:「(笑)」

    寅:「お前ないんじゃないの?」

    リリー:「ある(笑)」

    寅とリリーと兵藤パパ

    まるで、常識のない自分たちの境遇を楽しむかのように笑い合うのである。

    寅とこんな会話ができるのは、41人のマドンナの中でリリーしかいないだろう。

    このシーンは、同じ境遇で育ってきた寅とリリーの関係の近さがうかがえる象徴的なシーンではないかと思うのだ。

    寅が本気でケンカできたのはリリーだけ

    寅が本気でケンカできたのはリリーだけ

    寅が「男はつらいよ」に登場するマドンナと本気でケンカをするというシーンは、そんなに多くはない。

    少ない中で挙げようとすれば、12作目のりつ子(岸惠子)と29作目の風子(中原理恵)、そしてリリーくらいではないだろうか。

    しかし、りつ子や風子とのケンカは、リリーのものとは少し違う。

    寅とリリーのケンカは、相思相愛を前提として勃発するのだ。

    つまり、お互いのズレを修復するための確認行為のように思えてくる。

    二人がよくケンカしていたのは、男と女のあり方についてのズレではないだろうか。

    寅から見た男と女のあり方

    ・女を幸せにするのは男
    ・黙って男は耐えるもの
    ・男は引き際が大事

    リリーから見た男と女のあり方

    ・男と女の恋愛はカッコ悪いもの
    ・男はみっともなくてもいいから女に気持ちを伝えるもの
    ・体裁を気にする男は卑怯者

    意外と一般の男女でも当てはまりそうなズレではないだろうか。

    決して、どちらが悪いといった問題ではないのだが、寅がもう少しリリーに甘えることができれば、お互いこんなに苦労することはなかったのだろうと思う。

    49作「男はつらいよ」シリーズを締め括った寅とリリーのバス亭でのシーン

    山田洋次監督が神がかっていると思えるのが、49作目の最後に持ってきた作品が「寅次郎ハイビスカスの花」だったことだ。

    「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」は25作目の本編をそのまま使い、冒頭と最後に甥の満男が寅を懐かしむといったナレーションが挟まれているだけだ。

    なぜ、山田監督は、この25作目の「寅次郎ハイビスカスの花」を最後の締めとして持ってきたのか?

    それは、寅とリリーのバス亭でのシーンを最後に持ってきたかったからではないかと私は思っている。

    寅とリリーのバス亭でのシーン
    寅とリリーのバス亭でのシーン
    寅とリリーのバス亭でのシーン

    このシーンで、寅とリリーはなぜか不思議な会話のやり取りをする。

    寅:「どこかでお目にかかったお顔ですが、姉さん。どこのどなたです?」

    リリー:「以前お兄さんにお世話になった女ですよ。」

    寅:「はて?こんないい女をお世話した覚えはございませんが。」

    私はこのシーンを観ると、なぜか二人が時空を超えた場所で出会っているような、そんな感覚にとらわれてしまう。

    それは完全に時間が止まってしまっているような感覚だ。

    もし、この二人が天国で再会するようなことがあれば、きっとこんなシチュエーションで、こんな会話のやり取りをしているのではないかと思ってしまうのだ。

    まとめ

    この記事では、寅とリリーの馴れ初めから、4部作という長い期間で紡いできた二人の物語を振り返りながら、マドンナ役・リリーというマドンナの人物像に迫ってみた。

    こうしてみると、やはり「男はつらいよ」シリーズに登場したマドンナの中で、リリーという存在はとても大きかったことがわかるだろう。

    最終的に寅とリリーは結ばれることはなかったが、何か特別な運命の糸を手繰り寄せながら巡り合った二人であることに違いはない。

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