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全作品解説

映画「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」の作品解説(マドンナ:長山藍子)

2019年7月26日

この記事では、寅さん映画シリーズの「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」の作品の見どころを解説していきたいと思います。

映画「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」の予告編動画

映画「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」の作品データ

映画「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」のビジュアルポスター
公開日1970年8月25日
上映時間88分
マドンナ長山藍子
ゲスト杉山とく子/井川比佐志/松山省二
監督・原作山田洋次
スタッフ製作:小角恒夫
企画:高島幸夫/小林俊一
脚本:山田洋次/宮崎晃
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:宮崎晃
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:福山正幸
衣装:東京衣装
現像:東洋現像所
制作主任:峰順一
協力柴又神明会
主題歌男はつらいよ
観客動員数727,000人(シリーズ44位)
⇒「寅さんシリーズランキング
同時上映「なにがなんでも為五郎」
啖呵売した商品なし
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受賞歴■第25回毎日映画コンクール脚本賞/山田洋次、宮崎晃
■同・主演女優賞/倍賞千恵子
■キネマ旬報BEST10第8位
■同・脚本賞/山田洋次、宮崎晃
■同・女優賞/倍賞千恵子
■シナリオ作家協会シナリオ賞/山田洋次、宮崎晃

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映画「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」のサブスク動画配信サービス

映画「男はつらいよ」シリーズは、「FODプレミアム」「hulu」「U-NEXT」などのサブスク動画配信サービスを利用することで、いつでも視聴することができます。

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「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」のロケ地情報

「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」のロケ地
  • 小樽築港機関区(北海道)
  • 末次旅館(北海道)
  • 小沢駅(北海道)
  • 銀山駅(北海道)
  • 忍路トンネル(北海道)
  • 札幌警察署南一条巡査派出所(北海道)
  • 境川の漁場(千葉県)
  • 新橋(千葉県)
  • 境橋(千葉県)
  • パーマふじ(千葉県)
  • 猫実の庚申塚(千葉県)
  • とうふ 三七十屋(千葉県)
  • 正福寺(千葉県)
  • 朝里海水浴場(千葉県)
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    「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」作品のあらすじ

    おいちゃん危篤の電話を受けて、葬儀の準備を整えながら「とらや」に帰郷した寅次郎。
    ところが、すべては寅次郎に心配をかけさせるためのとらや一家が仕掛けた芝居であった。
    おいちゃん危篤の情報を聞いて駆けつける柴又界隈の人たち、そして葬儀屋までも来てしまい、寅次郎とおいちゃんたちは大ゲンカとなる。
    次の日、北海道の政吉親分が危篤だという知らせを聞いた寅次郎は、登と共に政吉親分に会いに出かける。
    息子の顔が見たいという政吉親分の願いを叶えるため、寅次郎たちはその息子に直接会って説得を試みるが失敗。
    政吉親分は息子の顔を見ないまま死んでしまう。
    親子関係について考えさせられた寅次郎は、舎弟の登と縁を切り、堅気の人間に生まれ変わろうと再び柴又に戻ってくる。
    ところが、タコ社長の印刷工場を1日も働くことができずに挫折し、寅次郎は行方をくらましてしまう。

    しばらくして、浦安の豆腐屋で働き始めた寅次郎は、その豆腐屋の娘・節子(長山藍子)にプロポーズされたと勘違いし、一生豆腐屋で働くことを決心するが・・・。

    「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」作品のキャスト

    <メインキャスト>

    • 車寅次郎:渥美清
    • さくら:倍賞千恵子
    • 節子:長山藍子
    • 剛:井川比佐志
    • 博:前田吟
    • 登:津坂匡章
    • 澄雄:松山省二
    • 御前さま:笠智衆
    • おじちゃん:森川信

    <サブキャスト>
    三崎千恵子/太宰久雄/杉山とく子/佐藤蛾次郎/木田三千雄/谷村昌彦/大塚君代/光映子/山田百合子/高木礼美子/二宮順一/山本幸栄/石井愃一/大杉侃二郎/市山達己/尾和義三郎/高木信夫/高杉和宏/樫明男/みずの皓作

    マドンナ:長山藍子

    マドンナ:長山藍子

    <役名:三浦節子>

    浦安の豆腐店「三七十屋(みなとや)」の一人娘。
    母親・富子(杉山とく子)と二人暮らしで、豆腐屋は母親に任せて、自分は近くの理髪店で働いている。
    剛(井川比佐志 )と結婚を考えていたが、豆腐屋の店を母親一人に任せられなくて、ずっと思いとどまっていた。
    ところが、一生豆腐屋では働いてもいいという寅次郎の考えを知り、剛との結婚を踏み切ることにする。

    テレビ版「男はつらいよ」のさくら役を演じていた長山藍子が、映画版のマドンナ役として再登場。

    →「「男はつらいよ」に登場した寅さんの歴代マドンナ47人を徹底ガイド

    ゲスト:杉山とく子

    ゲスト:杉山とく子

    <役名:三浦富子>

    浦安の豆腐店「三七十屋(みなとや)」の女将で、節子(長山藍子)の母親。
    豆腐屋を一人で切り盛りしていたが、寅次郎の「額に汗して働かにゃ」という信念に惚れこんで雇い入れる。

    テレビ版「男はつらいよ」では、おばちゃん役を演じていた。
    この作品後に、杉山とく子は様々な役柄で登場する。

    ゲスト:井川比佐志

    ゲスト:井川比佐志

    <役名:木村剛>

    国鉄の機関士。
    節子の豆腐店によく豆腐を買いに来る。
    高崎機関区への転勤を機に、節子との結婚を真剣に考え始める。
    寅次郎が豆腐店「三七十屋(みなとや)」でずっと働いてくれるという話を聞いて、安心して結婚に踏み切ることに。

    テレビ版「男はつらいよ」では、博役を演じていた。

    ゲスト:松山省二

    ゲスト:松山省二

    <役名:石田澄雄>

    寅次郎がお世話になったという政吉親分の実の息子。
    ヤクザな父親とは違い、国鉄の蒸気機関車の釜焚きをして真面目に働いている。
    幼い頃、女性に暴力を振るう父親の姿を見てから、自分には父親はいないと言い聞かせながら育ってきた。
    父親に会わせたいという寅次郎の訴えにも動じることなく、断固として父親と会うことを拒み続けた。

    「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」作品の見どころ

    3作目、4作目で監督を退いていた山田洋次が、監督として再び寅次郎に息吹を吹き込んだ渾身の一作。

    テレビ版「男はつらいよ」に出演していた3人の役者さん(長山藍子、井川比佐志、杉山とく子)をキャスティングして臨んだ、笑いあり、涙ありの濃厚な人間ドラマが展開されていく。

    今作では、政吉親分の死をきっかけとして、働くことの尊さを渡世人である寅次郎の視点から描かれていく。

    フーテンの寅次郎が堅気として生きていく決意をし、それを叶えられずに再び渡世人に戻っていくまでをリアルに描き切る。

    「額に汗して、油まみれになって働く」という例えをそのまま解釈する寅次郎の単純さには笑ってしまうが、全シリーズで一番と言えるほど渥美清がのびのびと、楽しく寅次郎を演じているのがわかる作品である。

    今作でも、寅次郎の一方的な勘違いから失恋する流れになるが、第3作目と同様、またしても酷いフラれ方をしている。

    そして、北海道の小樽から小沢間を走る蒸気機関車(C62形、D51形)も見どころのひとつであり、白煙を上げて力強く駆け抜けていくSLの重厚感は圧巻である。

    夢のシーン

    「男はつらいよ 望郷篇(第5作)」夢のシーン

    「とらや」に帰ってくると、おいちゃんが危篤で寝込んでおり、しばらくして息を引き取るという夢が展開される。
    この夢を見たことにより、寅次郎はおいちゃんの容態が気になり、本編で「とらや」に電話を入れるという流れになっていく。

    男はつらいよシリーズ全夢のシーン紹介ページ

    「渡世人」と「堅気」の狭間でもがき苦しむ寅次郎

    「渡世人」と「堅気」の狭間でもがき苦しむ寅次郎

    今作は、「男はつらいよ」シリーズの根本にあるテーマ、「渡世人」と「堅気」の位置付けを明確にさせた作品と言える。

    このシリーズは、寅次郎の恋愛を描くと同時に、「渡世人」と「堅気」を対比させて、家族のあり方、人間として生きていく喜びや悲しみを表現していく映画でもある。

    例えば、寅次郎は渡世人であるが、とらやの人たちは皆、堅気の人間である。

    世間の人たちは皆、堅気の人間として描かれるが、その枠からはみ出し、その枠に入れないのは渡世人・車寅次郎である。

    「男はつらいよ」シリーズでは、こういった対比した構図から家族のあり方、人間として生きていく喜びや悲しみが描かれていく。

    この構図は、シリーズ全体を通してブレることなく守られていくが、この作品では、そんな堅気になれなかった寅次郎が初めて渡世人から真剣に足を洗う決意をする作品だ。

    当然、堅気の生活をしたことのない寅次郎にとって、地道に働くことは決して簡単なことではなく、そのことでもがき苦しむことになる。

    そして、寅次郎自身が地道な生活のできる人間ではないことを悟る作品でもある。

    さくらとの別れ際に「やっぱり地道な暮らしは無理だったよ、さくら」と、寅次郎が本音を漏らすシーンは何とも切ない。

    額に汗して働くことよりもマドンナの婿入りが目的になってしまう寅次郎

    額に汗して働くことよりもマドンナの婿入りが目的になってしまう寅次郎

    もともとは、地道に働くことを目的に渡世人から足を洗う決意をした寅次郎であったが、いつの間にか、豆腐屋の娘・節子と一緒にいたいという想い自体が目的となってしまう。

    本来なら、失恋することと豆腐屋をやめることは別の問題であるが、寅次郎にとってそうはならない。

    寅次郎がどういう経緯で、節子のいる豆腐屋で働き始めたのかまでは作品中で描かれていない。

    しかし、寅次郎がこの豆腐屋で働き始めたのは、おそらく節子の魅力に取りつかれてのことだったのだろう。

    だとしたら、豆腐屋で働き始めた時には、すでに地道に働くことが目的ではなくなっていたことになる。

    さくらが浦安の豆腐屋を訪れてきた時に「考えることも地道にね。あまり飛躍しちゃだめよ。」と、寅次郎に言ったのはこのことへの忠告だったのだろう。

    さくらは、この時点でこの後に訪れる兄の不幸な展開をすでに予想していたということだ。

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