映画「男はつらいよ」の作品の中では、主人公の車寅次郎(渥美清)が日本全国様々な土地を旅する風景が映し出されます。
今となっては現存しない場所や建物が映画の中に残っていたり、また昔のままの風景が今になってもそのまま残されていたりと、物語を楽しむのと同じように日本全国様々な土地を眺めることができます。
今回は、中国エリア(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)が撮影場所となった、男はつらいよのロケ地を紹介していきたいと思います。
目次
男はつらいよのロケ地:岡山県総社市
国鉄吉備線
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」のオープニングが始まる前(寅さんが夢から覚めた後)の電車の中でのシーン。
寅さんが娘を連れたレオナルド熊演じる親方風の男に起こされた時に乗っていた電車が、岡山駅から総社駅を走る国鉄吉備線の電車です。
映像は電車の中での撮影のため、どのあたりを走っているかまでは判別できません。
吉備線の電車は現在も運行しています。
参考リンク:吉備線 - Wikipedia
備中国分寺
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」のタイトルバックで流れるシーン。
寅さんがレオナルド熊演じる親方風の男とピクニックをしてる時に映っていたのが、岡山県総社市にある真言宗御室派の寺院「備中国分寺」の五重塔です。
参考リンク:備中国分寺 - Wikipedia
男はつらいよのロケ地:岡山県高梁市
高梁川
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」のタイトルバックで流れるシーン。
寅さんがレオナルド熊演じる親方風の男と別れたすぐ後に流れる映像で、寅さんが渡し舟に乗っているシーンが出てきますが、これが高梁川の「水江の渡し」と呼ばれた渡し舟です。
残念ながら、水江の渡しは2016年3月で廃止となりました。
参考リンク:水江の渡しへようこそ
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、ハンコ屋とタクシー運転手が寅さんの養子について語りながら釣りをしているシーンがありますが、この釣りをしている川も高梁川です。
白神食品店
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で寅さんが柴又の「とらや」に電話をするシーン。
ひろみを演じる杉田かおるが公衆電話に10円玉を入れに来ますが、この杉田かおるが出てきた店が白神食品店です。
この後の映像を観るとわかりますが、店の前に橋があるのを確認できます。
2013年頃に白神食品店の店内を撮影した動画が見つかったので紹介しておきます。
正式な店名はわかりませんが、当時の映像では「白神食料品店」になっているのがわかります。
薬師院
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で寅さんが博の父の墓参りに訪れたお寺が、高梁市にある薬師院です。
寅さんが階段でマドンナ役の竹下景子とすれ違うシーンの後に、薬師院を遠目から撮影した映像も残されています。
ちなみに、映画の中では蓮台寺という設定になっています。
武家屋敷「岡村邸」
第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」で、博の母の葬儀の時に映った家が、高梁市の武家屋敷通りにある岡村邸です。
武家屋敷は、この他にも何軒かあるようですが、博の実家として使われた家が岡村邸です。
この後に流れた葬儀の撮影もおそらく、岡村邸で行われたと思われます。
博の父役の志村喬が喪主として挨拶するシーンでは、家の前を通る蒸気機関車らしい貨物列車が通るのが映っています。
作品に貨物列車が走っているシーンを入れるために意図的に撮影されたように感じます。
葬儀が終わってから、この家で寅さんが博の父から「りんどうの花」の話を聞かされるシーンもあります。
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、博の実家として使われた家も、高梁市の武家屋敷通りにある「岡村邸」の建物です。
1971年に撮影された第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」から12年が経った岡村邸です。
博の兄が岡村邸の古びた門を動かすシーンもあります。
参考リンク:岡村邸の門 高梁商工会議所
油屋旅館
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、父の三回忌のために博の兄弟たちが宿泊した旅館です。
博の兄弟たちが実家の処分について話し合うシーンも、おそらくこの油屋旅館の中で撮影されたものだと思います。
油屋旅館は、与謝野晶子、鉄幹夫妻などが宿泊したという由緒ある旅館です。
参考リンク:高梁市油屋旅館
備中高梁駅
第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」で、母の危篤を知った博が故郷の岡山に戻った時に降りた駅が、備中高梁駅です。
映像は、駅の中と入口を撮影したものが残されています。
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、住職姿の寅さんがさくらたちを見送りにきた駅も備中高梁駅です。
第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」の撮影から12年経った備中高梁駅の様子です。
映像は駅のホーム内から撮影したものです。
参考リンク:備中高梁駅 - Wikipedia
男はつらいよのロケ地:岡山県津山市
美作滝尾駅
第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の冒頭シーンで出てくる駅が、岡山県津山市堀坂にある因美線の駅「美作滝尾駅」です。
寅さんが勝山行きの切符を2枚買うシーンです。
駅の内部と遠目からホームを撮影した映像が残っています。
参考リンク:美作滝尾駅 - Wikipedia
津山祭り
第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」のオープニング(タイトルバック)で、寅さんが消火器の売をしている場所が、岡山県津山市の「津山祭り」が行われる場所です。
参考リンク:津山まつり - Wikipedia
津山国際ホテル
第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」で、後藤久美子演じる泉が結婚衣裳を着ていたホテルが、岡山県津山市にある津山国際ホテルです。
男はつらいよのロケ地:岡山県真庭市
御前酒蔵元辻本店
第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」のオープニング(タイトルバック)で寅さんとポンシュウが立ち寄る造り酒屋。
店の外景と店内、店のそばにある橋の近辺の映像が残されています。
参考リンク:御前酒 辻本店
男はつらいよのロケ地:島根県大田市
温泉津駅
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが結婚するかもしれないという話を聞いて、さくら、タコ社長、寅さんの3人が島根県に行った時に降りた駅が、島根県大田市を走る山陰本線の駅「温泉津駅」です。
この駅に向かう汽車の中の様子も映画の中に収められています。
参考リンク:温泉津駅 - Wikipedia
温泉津小学校
失恋した寅さんと別れて、さくらとタコ社長が再び温泉津駅に訪れた時に映っていた校庭が、温泉津小学校の校庭です。
温泉津小学校は、温泉津駅の南に位置しているために駅のホームから校庭の様子が映っています。
やきもの館
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが結婚を考えた絹代さんが働く窯場。
現在は、温泉津 やきものの里「やきもの館」になっています。
参考リンク:温泉津やきものの里|やきもの館
福光海岸
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、さくらと別れた後に寅さんが1人たたずんでいる海岸が福光海岸です。
この場所は、海釣りのポイントとなっている場所のようです。
男はつらいよのロケ地:島根県益田市
大日霊神社
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが1人で福光海岸を歩いているシーンの後で傘の売をしていたのが、島根県益田市にある大日霊神社です。
大日霊神社と書かれた文字が映る映像が収められています。
そして、近くを走る蒸気機関車の映像も映っています。
安富橋
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、大日霊神社で寅さんが売をした後に流れるシーンです。
寅さんが1人で歩いている細い橋が安富橋です。
なにやらメインケーブルに劣化が見つかり、現在通行止めになっているようです。
男はつらいよのロケ地:島根県津和野町
食堂すさや
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが歌子(吉永小百合)と再会した食堂です。
食堂すさやは現在、建物も残っていないようです。
津和野カトリック教会
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが歌子(吉永小百合)と再会した後に流れるシーン。
階下を見下ろすアングルで景色が映りますが、画像の中央からやや右にとんがったような建物があるのがわかると思います。
この建物が津和野カトリック教会になります。
津和野藩校「養老館」
同じく第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんが歌子(吉永小百合)と再会した後に流れるシーン。
歌子が働いていたと思われる町立図書館。
この建物は、津和野藩校「養老館」の敷地の中にあります。
参考リンク:養老館 - Wikipedia
津和野川
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、歌子(吉永小百合)が亡くなった旦那さんの話を寅さんに聞かせた場所が殿町通りのそばにある津和野川のほとりです。
津和野のバス停
第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」で、寅さんと歌子が分かれるシーン。
寅さんは、津和野のバス停から[小郡←→津和野]と書いてあるバスに乗って去っていきます。
ちなみに、このバス停は撮影のために作ったものらしいです。
男はつらいよのロケ地:鳥取県鳥取市
若桜橋
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、寅さんが鳥取しゃんしゃん傘まつりでスタンドの売をするシーンで、寅さんの後ろに見える橋が若桜橋です。
魚見台
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、寅さんと泉が車で鳥取砂丘へ送ってもらっている時に道路左側に映っていたのが魚見台です。
映画では、車の中から撮影されていて、魚見台の歌碑までは映っていません。
鳥取砂丘
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、泉と満男が再会する場所。
鮎料理旅館「新茶家」
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、寅さんが泉と満男を招待した鮎料理旅館「新茶家」。
この鮎料理旅館「新茶家」の女将は、吉田日出子が演じています。
八東川河畔
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、満男がおじさんの恋を分析して泉に説明しようとするシーン。
2人のバックで流れている川が、鳥取県南東部を流れる一級河川「八東川」河畔です。
出合橋バス停
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、聖子(吉田日出子)が見送りに来てくれたバス停が出合橋バス停です。
寅さんたちを乗せたバスが走り出した右側に見える橋が出合橋です。
鳥取駅
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、寅さんが満男と泉を見送った駅が鳥取駅です。
満男と泉は、大阪行きの列車に乗っていきます。
男はつらいよのロケ地:鳥取県倉吉市
打吹公園
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、満男(吉岡秀隆)が泉(後藤久美子)からのはがきを読んで家を飛び出した後に泉が1人で歩いているシーンが出てきますが、この場所が鳥取県倉吉にある打吹公園です。
打吹公園は、日本さくら名所100選、日本の都市公園100選、森林浴の森100選等に選ばれる山陰を代表する都市公園です。
参考リンク:打吹公園 - Wikipedia
倉吉私立成徳小学校
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、泉(後藤久美子)が高校時代のブラスバンド部を回想するシーン。
泉が見ていたブラスバンドは、打吹公園のそばにある倉吉私立成徳小学校の校庭で演奏しています。
白壁土蔵群
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、泉があんパンを買う駄菓子屋さんに向かう場所が白壁土蔵群です。
泉はこの白壁土蔵群でバッタリ寅さんと遭遇します。
男はつらいよのロケ地:鳥取県八頭郡
安部駅
第44作「男はつらいよ 寅次郎の告白」で、寅さんが満男たちと別れてしばらくしてから、とらやに電話していた駅が、若桜鉄道若桜線の駅「安部駅」です。
参考リンク:安部駅 - Wikipedia
男はつらいよのロケ地:鳥取県江府町
伯耆大山南壁
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」で、一道(中井貴一)がカメラで撮った景色。
一道(中井貴一)が1人で撮りに行っているシーンなので、ほんの数秒の映像です。
男はつらいよのロケ地:広島県呉市
大崎下島豊町
第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」で、寅さんがとらやを出て行って最初に売をする場所です。
寅さんが、女性の夏用の衣服「アッパッパ」の啖呵売をしている場所が、瀬戸内海にある島「大崎下島」の豊町です。
小野浦
第27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」で、アッパッパの啖呵売の後に寅さんがアンパンを食べるシーンがありますが、この場所が豊浜町小野浦の墓地です。
この後に、寅さんは祖母の墓参りをするふみ(松坂慶子)に出会います。
男はつらいよのロケ地:広島県尾道市
因島大橋
第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」のラストシーンで寅さんがオープニングで出会った親方風の男と再会するシーンがありますが、この場所が因島大橋が建設された場所です。
この作品が製作された年から因島大橋が供用開始されます。
男はつらいよのロケ地:山口県萩市
萩城跡指月公園
第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」のオープニングで流れる祭りの大名行列が行われている場所が、山口県萩市にある萩城跡指月公園内です。
平安橋
第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」のオープニングで、祭りの大名行列が渡っている橋が、山口県萩市にある平安橋です。
参考リンク:平安橋 - Wikipedia
男はつらいよのロケ地:山口県下関市
赤間神宮
第37作「男はつらいよ 幸福の青い鳥」で、とらやに電話した後に寅さんが売をするシーンが出てきますが、そこが山口県下関市にある赤間神宮です。
参考リンク:赤間神宮 - Wikipedia
まとめ
今回は、四国地方エリアで撮影された映画「男はつらいよ」のロケ地を紹介してみました。
男はつらいよのロケ地紹介