映画「男はつらいよ」の楽しみ方と言えば、寅さんの人情劇を堪能すると同時に、各作品に登場する日本各地の風景を眺めることができるところではないでしょうか。
映画「男はつらいよ」の1作目が公開されたのが、昭和44年(1969年)、最後の作品が公開されたのが平成7年(1995年)ということで、日本全国で撮影された各地域での昔の風景がそのまま映画の中に収められています。
映画「男はつらいよ」は全49作まで作られているので、撮影されたすべてのロケ地を紹介しようと思うと膨大な量になってしまいます。
なので、ロケ地を都道府県別に分けて紹介していきます。
今回は、北海道をロケ地として撮影されたシーンをすべて紹介していきます。
「男はつらいよ」で北海道が舞台になった作品、または北海道の風景が収められている作品をまとめると、以下の作品になります。
目次
- 1 男はつらいよのロケ地紹介:北海道札幌市
- 2 男はつらいよのロケ地紹介:北海道函館本線
- 3 男はつらいよのロケ地紹介:北海道小樽市
- 4 男はつらいよのロケ地紹介:北海道網走市
- 5 男はつらいよのロケ地紹介:北海道函館市
- 6 男はつらいよのロケ地紹介:北海道白老町字虎杖浜
- 7 男はつらいよのロケ地紹介:北海道登別市登別温泉町
- 8 男はつらいよのロケ地紹介:北海道千歳市
- 9 男はつらいよのロケ地紹介:北海道江差
- 10 男はつらいよのロケ地紹介:北海道奥尻島
- 11 男はつらいよのロケ地紹介:北海道虻田郡京極町
- 12 男はつらいよのロケ地紹介:北海道釧路市
- 13 男はつらいよのロケ地紹介:北海道根室市
- 14 男はつらいよのロケ地紹介:北海道標津郡中標津町
- 15 男はつらいよのロケ地紹介:北海道川上郡弟子屈町
- 16 男はつらいよのロケ地紹介:北海道斜里郡斜里町
- 17 男はつらいよのロケ地紹介-北海道編-まとめ
男はつらいよのロケ地紹介:北海道札幌市
第5作「男はつらいよ 望郷篇(1970年)」で寅さんと登が義理ある正吉親分の危篤の知らせを受けて札幌に見舞いに来るシーン。
おそらく札幌の街中と思われ、路面電車が走っています。
現在もこの路面電車は運行しているようなので、札幌市在住の方ならおおよその場所が特定できるのかもしれません。
寅さんは、札幌銀行指定病院と書かれた建物に入院している正吉親分に会いに行きます。
札幌市電は今でもありますが、ここの路線(一条線)は、昭和48年に廃止されました。
寅さんの後ろにある建物は、昭和46年頃までここにあった交番で、現在は北海道開拓の村に移設されています。
http://www.kaitaku.or.jp/guide/tatemono/13.htm
橋の向こうに見える建物は、奥田病院といって、声楽家の奥田良三氏のお兄さんである、奥田祐安先生が経営していた病院です。映画ではここに親分が入院していました。
グーグルストリートビューで見ると、今はこうなっています。
https://www.google.com/maps/@43.0597891,141.357169,3a,75y,108.67h,86.72t/data=!3m6!1e1!3m4!1s1z5oDyGkEX4W_sqWM61Y7Q!2e0!7i16384!8i8192の説明
大通公園
場所は、平成元年に日本の都市公園100選に選ばれた札幌市中央区にある大通公園です。
大通公園でのロケは、2つの作品で行われました。
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」で青森で知り合った中年男・兵藤謙次郎(船越英二)をサクラに使って万年筆を売るシーンです。
第38作「男はつらいよ 知床慕情(1987年)」で同じく札幌市中央区にある大通公園で寅さんがゴッホの複製絵画を売るシーンです。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道函館本線
銀山駅
第5作「男はつらいよ 望郷篇(1970年)」で正吉親分の息子を追いかけて銀山駅へ先回りする寅さんでしたが、息子の乗った蒸気機関車はそのまま通過してしまいます。
銀山駅は、北海道余市郡仁木町銀山2丁目にある函館本線の駅です。
駅の入口からのアングルになりますが、現在は下の画像のようになっています。
小沢駅
蒸気機関車に乗った正吉親分の息子は小沢駅で寅さんと再会。
現在は下の画像のようになっています。
線路を横断するための建物は当時のまま残されているようです。
そして、説得できなかった寅さんと登は、小沢駅前にある「末次旅館」に宿泊します。
この「末次旅館」は、当時末次商会を旅館に見立てて撮影されたようで、実在しない旅館のようです。
撮影当時は駅前のお菓子屋だったが現在では駅から100mほどの場所に移転している。店の名物「トンネル餅」は無添加で手作り、考案された1952年当時と同じ製法が守り抜かれている。
長山の「渥美さんも撮影の時に召し上がったの?」という質問に対して店主の末次セツ子さんは「食べていきました。座布団を二つに折ってね。よく横になっていましたよ渥美清さん。おちゃめな方だと思ってたから」と当時の逸話を話した。「絶景・人情列島 寅さんが旅したニッポン」で紹介されたレストラン・飲食店 - Wikipedia
塩谷駅
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」でカニを食べてしまって電車賃がなくなった三人が宿泊した函館本線塩谷駅。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道小樽市
塩谷海岸
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」で函館本線に乗りながらカニを食べる話をした後に流れるシーン。
波打ち際で3人がはしゃいでいるのが塩谷海岸です。
小樽運河
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」で兵藤が初恋の話をしているシーン。
撮影していたのは北浜橋のところです。
そして、第22作「男はつらいよ 噂の寅次郎(1978年)」の最後のほうで早苗(大原麗子)が「とらや」に送った手紙を読むシーンでも小樽運河が登場します。
この映画では、竜宮橋から撮影されています。
現在、竜宮橋から小樽運河を見ると下の画像のようになっています。
外人坂
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」で兵藤が初恋の人に会いに行くシーン。
小樽港
寅さんとリリーがケンカ別れするシーン。
現在は下の画像のようになっています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道網走市
網走駅
第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973年)」で寅さんが夜行列車で泣いているリリーを始めて見た後のシーン。
リリーと寅さんが降りた駅が網走駅で、カメラは駅の中から外へ向かって撮影されています。
現在は下の画像のようになっています。
中央の奥に見えるのが網走駅です。
網走神社の石碑
第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973年)」で寅さんが網走神社側のエイコー電気横でレコードの売をします。
ちなみに、この網走神社の石塔は今でも健在で網走駅から徒歩で15分のところにあります。
現在は下の画像のようになっています。
網走橋
第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973年)」で寅さんとリリーが初めて会話をかわした場所です。
レコードが売れなくて、つまらなそうにしている寅さんにリリーが話しかけてきた場所が網走橋です。
この橋は、網走川にかかる橋になります。
現在は下の画像のようになっています。
映画では「網走橋」のプレートが橋と垂直になるように残されていますが、現在では橋と並行にプレートがあります。
なので、撮影された橋の入口部分は作り変えられたことになります。
そして、映画で寅さんの後ろに映っていた「網走造船」と書かれた建物は、現在も同じ位置に残っています。
リリーの横に映っている赤丸内の建物も現在そのままの形で残っていました。
その後、寅さんとリリーがお互いの身の上話をした場所が、網走橋の横に建っていた「網走造船」と書かれた建物の敷地内と思われます。
網走橋のバックに映る山の形が同じに見えます。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道函館市
函館港
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」で船越英二が演じる兵藤が宿銭もないのに呑気に幸せを語っているシーンがありますが、この場所が函館港です。
この後に函館港のラーメン屋台でリリーと寅さんが偶然に出会うことになります。
現在は下の画像のようになっています。
日ノ浜海岸
第15作「男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年)」のラストで寅さんが函館のキャバレーの女性と再会するシーンがあります。
寅さんが波打ち際で座っているところからバスに乗って走っていくところまでのシーンが日ノ浜町にある日ノ浜海岸です。
海岸の場所が特定できないため細かい場所まではわかりませんが、現在は下の画像のようになっています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道白老町字虎杖浜
虎杖浜神社
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979年)」で寅さんがネクタイの売をしていたのが、北海道白老町字虎杖浜にある虎杖浜神社です。
現在は下の画像のようになっています。
おそらく階段は当時にまま残されています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道登別市登別温泉町
大湯沼
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979年)」で寅さんが桃井かおり演じるひとみと初めて出会った場所が、登別温泉町にある大湯沼です。
現在は下の画像のようになっています。
中央の山に建っている展望台のようなものが、映画の中と全く同じ位置に建っているのが確認できます。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道千歳市
支笏湖
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979年)」でひとみが旅館の若旦那に襲われそうになったのを寅さんが助けるシーンがありますが、この場所が北海道千歳市にある支笏湖の美笛キャンプ場です。
レイクサイドヴィラ翠明閣
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979年)」で寅さんとひとみが泊まった旅館が北海道千歳市にあるレイクサイドヴィラ翠明閣です。
当時は「ホテル翠明閣」という名前でした。
第23作「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979年)」のラストシーンの旅館の若旦那が女性を口説いているシーンが出てきますが、この場所も支笏湖湖畔です。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道江差
第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980年)」で寅さんが源公に借りた2万円について手紙を書くシーンがありますが、この場所が北海道江差です。
映画の中で使われているシーンが、第18回江差追分大会の模様です。
江差追分大会とは、日本一のノドを競い合う、追分の本場江差ならではの一大イベントで、今日まで脈々と続く民謡の全国大会としては最も歴史ある大会です。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道奥尻島
川尻水産
第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980年)」でテキヤ仲間、シッピンの常(伊藤蘭演じるすみれの父)の死を知った寅さんが墓参りのために奥尻島を訪れます。
すみれの働いていたイカの水産加工場「川尻水産」は現在も同じ場所に存在しています。
賽の河原公園
第26作「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980年)」でテキヤ仲間、シッピンの常(伊藤蘭演じるすみれの父)の墓参りをした場所が、奥尻島にある賽の河原公園です。
奥尻港から海沿いの道(道道39号線)を北上すると賽の河原公園に辿り着きます。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道虻田郡京極町
京極駅
第31作「男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983年)」のラストで寅さんが降りて出てきた駅が胆振線にあった京極駅です。
胆振線は1986年に廃線になったため京極駅も廃駅となりました。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道釧路市
幣舞橋
第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)」で寅さんが中原理恵演じる風子に話しかける場所が北海道釧路市にある幣舞橋です。
寅さんが幣舞橋の上から風子の姿を見かけます。
次の日に旅館を出た寅さんと風子、佐藤B作演じる栄作の3人が橋を渡っていくシーンが出てきますが、その橋も幣舞橋です。
現在は下の画像のようになっています。
小さくて見にくいですが、橋の先に映っているのが「ぬさまい公園」の花時計も現存しています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道根室市
茶内駅
栄作が出ていった奥さんに会いに行くために降りた駅が茶内駅です。
栄作と別れる時には茶内駅の中からの映像があります。
茶内駅は、根室本線(花咲線)の駅で釧路駅と根室駅の中間に位置します。
現在は下の画像のようになっています。
ときわ台公園
第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)」で寅さんが根室新緑まつりでオルゴールの売をしていた場所です。
渡瀬恒彦演じるトニーがバイクのショーをしたところです。
根室新緑まつりは、映画のために作られた架空のお祭りで根室市清隆町ときわ台公園で撮影が行われました。
現在は下の画像のようになっています。
理容室小田原
第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)」で、中原理恵演じる風子が働き始めた理容店「理容室小田原」。
寅さんと風子が、別れた場所になります。
現在は下の画像のようになっています。
向かいにある「靴修理の店」があった建物もきちんと残っています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道標津郡中標津町
養老牛温泉
第33作「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)」で風子が結婚式を挙げた場所です。
養老牛温泉は北海道標津郡中標津町にある温泉です。
映画で登場したのは、養老牛温泉には「旅館籐や」になります。
現在は下の画像のようになっています。
博たちを乗せたワゴン車が「旅館籐や」に向かう途中に映った「ちゃちゃはし」という橋もしっかり残っていました。
現在は、「チャチャ橋」というカタカナを使った名前になっています。
保落地区
第38作「男はつらいよ 知床慕情(1987年)」で寅さんと三船敏郎演じる順吉が初めて出会う場所です。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道川上郡弟子屈町
川湯温泉(硫黄山)
第38作「男はつらいよ 知床慕情(1987年)」で寅さんがテレビ中継された時にいた場所が、北海道川上郡弟子屈町にある川湯温泉です。
寅さんが建物から出てくる前にブラウン管を通して硫黄山の風景が映っています。
現在は下の画像のようになっています。
男はつらいよのロケ地紹介:北海道斜里郡斜里町
オロンコ岩(ウトロ漁港)
第38作「男はつらいよ 知床慕情(1987年)」で寅さんと三船敏郎が演じる順吉が乗った車がオロンコ岩の横を走っていきます。
そして、釣りをしている寅さんの先に映っているのがオロンコ岩です。
オロンコ岩は、北海道斜里町ウトロのウトロ漁港にある高さ約60mの巨大な岩です。
現在は下の画像のようになっています。
知床斜里駅
第38作「男はつらいよ 知床慕情(1987年)」で竹下景子が演じるりん子が自宅の父に電話している場所が、釧網本線にある知床斜里駅です。
このシーンになる前に、知床斜里駅の外から中に向かって映した映像もあります。
現在は下の画像のようになっています。
男はつらいよのロケ地紹介-北海道編-まとめ
今回は、北海道で撮影された「男はつらいよ」のシーンをすべて紹介してみました。
男はつらいよのロケ地紹介